モニターキャリブレーション
ECサイトを運営しているとお客様からこんな問い合わせを受けたことはないでしょうか?
「届いた商品の色味が画面の色と違う」
「商品の色が思ったより暗い」、、、など
結論から申しますと、WEBデバイスの色味はお客様(消費者)のそれぞれのWEB表示環境に依存してしまうため、すべてのユーザーに正しい色味でコンテンツを閲覧してもらうことは、事実上不可能と言えます。
ただしかし、あまりにもそのような問い合わせやクレームが多い場合は、制作側に何か問題があるかもしれません。
まず第一に考えられるのは、撮影の段階で色味が変わってしまう問題です。それは色そのものが、様々な要因(カメラ・環境光・被写体など)に左右されるからです。プロの撮影現場ならその段階からなるべく色が変わらないように対策を取るのですが、それでも100%とは言い切れません。
そこで撮影した画像の色を後に画像編集ソフトで補正をする場合があるのですが、補正する際にパソコンのモニターが正しい色でなければ、意味がありません。
そこでモニターを基準の値に設定するモニターキャリブレーションが必要になってきます。モニターには色温度や明るさ等調整できるものもありますが、モニターは使用すれば使用するほど劣化していくため、正しい表示が難しくなります。そこでキャリブレーションセンサーを使用し、ディスプレイプロファイルを生成してパソコン側から強制的に補正をする必要があります。
弊社ではWEB表示環境に対しては、エックスライト社のモニターキャリブレーションを使用し、以下の設定で定期的にモニターを調整しております。
白色点:6500K
輝度:80cd/㎡
ガンマ:2.2
(色域:sRGB)
白色点とは ディスプレイの白色の色温度を決定します。ディスプレイの白色点を設定することで、画面に再現される照明条件の白色の品質を決定します。 色温度の単位には K(ケルビン)が使用されます。
輝度
ディスプレイの輝度はブライトネスを決定します。単位としてはcd/㎡(カンデラ毎平方メートル)が使用されます。
ガンマ(階調応答曲線)
ディスプレイが輝度をどのように再現するか、および人間の目がどのようにそれを認識するかの差を補正する値です。画像をスクリーンで表示するための最も一般的なガンマの設定は、2.2です。従来のアップル製コンピュータではガンマ1.8、Windowsシステムでは2.2がデフォルトとなっていましたが、現在においては両方のプラットフォームは2.2のガンマ設定で標準化されています。
色域
人間の目で認識可能な色の範囲の中で、さらに特定の色の範囲を定めたものです。多くのモニター環境がIEC(国際電気標準会議)が1998年に作成した国際規格の「sRGB」を採用しています。 ただ、昨今はsRGBより広い色域を持つ「Adobe RGB」規格がクローズアップされてきており、sRGBと比較して特に鮮やかな緑色を表現できると言われております。Adobe RGBはアドビシステムズによって1998年に定義されましたが、sRGBのような国際規格ではないため、一部のプロフェッショナル環境、及び出版/印刷の分野などでない限り、画像はsRGBで作成したほうが無難です。弊社では特にご指定がなければsRGBにて画像を納品しております。
いかがでしたでしょうか?
お客様(消費者)に正しい商品の色を提示するのは色々と知識が必要で難しく感じるかもしれませんが、まずは自社のモニターの設定を見直してみるのもよいかもしれません。もしかすると標準の設定から大きく外れたモニターでWEB制作をしている可能性もございます。
また、撮影をアウトソーシングすることで、自社で撮影した画像の修正時間をなくすことができるため、結果的にコストカットにつながる場合もございます。
撮影でお困りの場合はトミーズコーポレーションにお気軽にお問い合わせくださいませ。